代表挨拶

私の故郷である山口県長門市俵山は、かつては西日本の有数の湯治場として栄えていましたが、現在では超高齢化社会となり、過疎化が進んでいます。幼い頃、今は亡き父によく連れられて行った温泉街にかつての賑わいはなく、店をたたんでしまった旅館が目立ちます。温泉の湯質は今でも素晴らしく、変わりませんが、閑散とした自分の故郷を見るのは寂しいものです。

 

 私も高校卒業と同時に村を離れましたが、いつも頭の片隅にあるのは、高校時代まで過ごした俵山のことでした。帰省する度にしゃくなげの植樹、手入れに奮闘する叔父を見て、自分も故郷の役に立てることはないかずっと考えていました。そして、考え付いたのが、幼少期からいつも身近にあった柚子を使用した俵山のお土産作りです。

 

商品開発を進めていくうちに、俵山の柚子は殆どが、種から育った大変貴重な実生(みしょう)の柚子ということが分かりました。

  当初は1人で始めた事業でしたが、有難いことに、年々協力して下さる方が増え、今では市とNPOの方々の協力を得て、村の方たちを雇用させて頂き、廃校になった中学校の給食室で手作りの柚子商品の製造を行っています。働かれているのは、主に平均年齢80歳の元気な高齢者の方たちです。

 

 2018年1月からは、毎年、より安全な食を提供する為有機JAS認定を取得しております。

 

今後もより多くのお客様に、安心・安全なゆず商品をお届けしたいと思います。そして、今後も微力ながら、村の方たちの交流の場と雇用の機会を作り続け、地域活性化に貢献して参りたいと思います。

 

 

       株式会社かな川 代表取締役 金川 敏治